コラム

脳

ヨガで認知機能低下を予防できる

Posted on 2017.7.17

ヨガで認知機能低下を予防できる

ブラジルの研究で、ヨガは老年期の認知機能の低下を防ぐことが明らかになり、2017年7月の『Frontiers in Aging Neuroscience』で発表されました。

この研究は、ヨガを8年以上、週に2回以上、継続的に行ってきた60歳以上の女性21人と、ヨガの経験がない健康な60歳以上の女性21人の脳の状態をMRI画像で比較しました。その結果、ヨガを継続的に行ってきた女性の脳は、ヨガの経験がない女性に比べて、左側の前頭前皮質が厚いことが明らかになりました。脳のこの部分は、ワーキングメモリ(作業記憶:情報を一時的に記憶して会話や感情のコントロール、読み、書き、計算など日常活動における素早い情報処理を可能にする記憶装置のようなもの)や推論、行動の実行、プランニング、視覚的注意などに関連し、老化に伴ってその機能が衰え始めて記憶力の低下や認知能力の低下が現れます。

すでにいくつかの先行研究で、ヨガや瞑想が他の有酸素運動よりも健康上の利点が多く、注意力や記憶の改善を示すだけでなく、軽度の認知症の高齢者も短期間のヨガトレーニングによって、認知機能が改善することがわかっています。

ヨガは意識的に姿勢を整えてポーズをとり、呼吸をコントロールし、瞑想も行います。研究者は、筋肉と同じように脳はトレーニングによって発達し、ヨガの複合的なトレーニングが脳の構造と機能の維持、老化の抑制に貢献していることを指摘しています。ただし、このようなヨガ実践者の脳の構造の変化は、数年以上の長い期間、ヨガを継続的に行っていた人にのみ確認できるそうで、長期間ヨガを継続することが必要だということです。

Rui F. Afonso, Joana B. Balardin, Sara Lazar, João R. Sato, Nadja Igarashi, Danilo F. Santaella, Shirley S. Lacerda, Edson Amaro Jr., Elisa H. Kozasa. Greater Cortical Thickness in Elderly Female Yoga Practitioners—A Cross-Sectional Study. Frontiers in Aging Neuroscience, 2017

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Profile

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健美塾リーダー
宇山 恵子(うやま けいこ)

京都府立医科大学特任教授、東京医科歯科大学非常勤講師。大学卒業後、新聞社、広告会社で医療・美容・ダイエットなどの取材を担当。英語とフランス語を生かし、海外アンチエイジング情報の翻訳、取材も行う。現在は医療・美容ジャーナリスト、ヨガインストラクター、書道講師、メノポーズカウンセラーの視点からもアンチエイジング情報を発信中。