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コラム

性と生殖

生殖細胞の能力を低下させるものとそれを克服するもの

Posted on 2014.5.4

長寿、つまり寿命を制御するシステムについての最近の研究では、約50~60回で寿命を迎える体細胞よりも、無限に複製を繰り返すことができる生殖細胞、つまり精子や卵子を形成する細胞に注目が集まっています。米 国ノースカロライナ大学とイギリスのケンブリッジ大学の線虫を用いた研究によると、生殖細胞で働き、いわゆる生殖細胞の設計図のような機能を持つ 「piRNAタンパク質」が変質すると、徐々にその生殖細胞の生殖能力が低下し、子孫を残す能力も低下し、しかもその変異は、次世代に次々と受け継がれて いくことが明らかになり、これが寿命の個体差に関係していることが明らかになっています。今回の研究では、piRNAタンパク質が変異を 起こした生殖細胞内で、代謝、寿命、老化をコントロールする、「FOXO遺伝子」を操作することで、生殖能力の低下を克服することができることが明らかに なり、2014年4月号の『Cell Report』で紹介されています。FOXO遺伝子は、寿命延長に関係することが以前から明らかになっていますが、生殖細胞内で生じたpiRNAタンパク質の変異による、生殖細胞のダメージを克服するために働くことが明らかになり、がんや神経変性疾患など、加齢にともなう病気の予防や治療に役立つ可能性を指摘しています。
Reduced Insulin/IGF-1 Signaling Restores Germ Cell Immortality to Caenorhabditis elegans Piwi Mutants. Cell Reports, 2014

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健美塾リーダー
宇山 恵子(うやま けいこ)

医療美容ジャーナリスト
オールアバウトアンチエイジングガイド

東京医科歯科大学特任講師。大学卒業後、新聞社、広告会社で医療・美容・ダイエットなどの取材を担当。海外アンチエイジング情報の取材・原稿執筆が得意。老人介護の現場で書道講師としても活躍中。2018年現代書作家協会展臨書部門「大賞」受賞。王義之、空海、橘逸勢などの臨書を中心に作品制作を行う。