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社会的な絆が乳がんの再発率や死亡率を下げる

Posted on 2016.12.29

cancerwoman歌舞伎俳優の市川海老蔵さんの妻、小林麻央さんが、自らが乳がんの闘病中であることを発表し、ブログで闘病中のようすを公開していることが話題になっています。ブログでは闘病中の苦しみ、焦燥感とともに、夫、家族、友人に励まされ、模索しつつも自分のペースをつかみ始めて、前向きに治療に取り組む様子が生き生きと綴られており、たくさんの読者からの励ましの声や応援メッセージが届いています。

がんになったことを発表する著名人は少なく、「勇気ある決断」と小林麻央さんの姿勢に注目が集まっていますが、実は、病気を隠すために、社会的な絆を断ち切ってしまうよりも、より多くの絆でつながり続けることが、乳がん患者さんの再発率を下げ、生存率を高めていることが、研究成果として科学的に明らかになりました。

米国カリフォルニア州にあるカイザーパーマネント研究所が、 カリフォルニア州、ユタ州、オレゴン州、アリゾナ州、テキサス州、上海に在住の9267人の乳がん患者の女性を対象に、運動、食生活、体重管理、社会的要因など、乳がん発症以後約2年間のさまざまな生活習慣要因が、乳がん患者の女性の生存率や再発率にどのような影響を及ぼしているかを調査しました。その結果、家族、配偶者、友人、地域社会との絆など「社会的な絆(結びつき)」が強いグループは、社会的に孤立して社会的な絆(結びつき)が弱いグループに比べて、乳がんの再発率が低く、生存率が高いことが明らかになり、2016年12月の米国癌学会の学術誌『Cancer』で発表されました。

Cancer, 2016; DOI: 10.1002/cncr.30440

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Profile

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健美塾リーダー
宇山 恵子(うやま けいこ)

医療美容ジャーナリスト
オールアバウトアンチエイジングガイド

東京医科歯科大学特任講師。大学卒業後、新聞社、広告会社で医療・美容・ダイエットなどの取材を担当。海外アンチエイジング情報の取材・原稿執筆が得意。老人介護の現場で書道講師としても活躍中。2018年現代書作家協会展臨書部門「大賞」受賞。王義之、空海、橘逸勢などの臨書を中心に作品制作を行う。