カナダのブリティッシュ・コロンビア大学の研究で、社会的孤立が高齢女性の高血圧リスクを高めることがわかりました。この研究はカナダの老化に関する縦断的研究データを用いて、45歳～85歳の社会的つながりと血圧の関係を分析したもので、パートナーがいない、独身、死別、別居、月に3回未満の社会活動しかしない、友人が少ないなど、社会的つながりが少ない女性は、既婚女性や社会参加に積極的な女性に比べて、血圧が有意に高いことがわかりました。さらに独居や社会参加の少ない女性の方が、肥満になるリスクも高いことが明らかになりました。反対に男性は、独身、死別、別居、社会活動が低レベルの方が、肥満や高血圧になりにくいことが明らかになりました。この結果について研究者は、社会的孤立が男性と女性の健康状態に異なる影響を与えることがわかったことを指摘しました。さらに現在コロナ感染症の影響で社会的孤立が生じやすい状況にあるため、医療者がパートナーのいない女性の治療や健康指導をするときには、健康的な食事と運動と共に社会的孤立を避け社会参加を促すようアドバイスすることも必要ではないかと示唆しています。

【出典】