記事Topics

孤独がネット中毒を引き起こす

Posted on 2021.5.21

フィンランドのヘルシンキ大学の研究によると、孤独な青年ほど、インターネット中毒になりやすいことがわかり、2021年2月の『Child Development』で報告されました。

この研究は、青年の有害なインターネットサイトの使用状況に関する調査データを分析したもので、16~18歳のフィンランド在住の1750人を対象に行われました。 その結果によると「強迫的なインターネットの使用」は、学業成績の低下と関係し、さらにうつ病など、メンタルヘルスに有害になる可能性があるそうです。具体的には、ゲーム中毒、またはソーシャルメディア中毒などで、研究者は「コロナウイルス感染症が流行している今、思春期の若者の間で孤独感が著しく高まっています。彼らはインターネットに対して帰属意識を求めています。そのため思春期の若者はインターネットに向かい、中毒になるリスクがあります。そしてインターネット中毒は、うつ病や気分障害などを悪化させる可能性があります」と述べます。 問題のあるインターネットの使用に陥るリスクは、今回の調査対象者の年齢の中では、最も若い16歳が最も高く、男性の方がその傾向が強かったそうです。一般的には、インターネット依存は思春期を過ぎて成人になるころには、他に関心が移って依存度が低くなると言われていますが、うつ病などに悪化していかないように家族や学校が注意を払う必要があると述べています。

【出典】

István Tóth‐Király, Alexandre J.S. Morin, Lauri Hietajärvi, Katariina Salmela‐Aro. Longitudinal Trajectories, Social and Individual Antecedents, and Outcomes of Problematic Internet Use Among Late Adolescents. Child Development, 2021; DOI: 10.1111/cdev.13525