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新婚夫婦の結婚満足度に遺伝子が関係?

Posted on 2021.5.17

新婚夫婦の結婚に対する満足度には、実はある特定の遺伝子が関係している可能性があることが、米国アーカンソー大学の研究で明らかになり、2021年2月の『Nature Scientific Report』で発表されました。

この研究は新婚夫婦71組142人を対象に、結婚3か月後に採取した夫婦のDNA情報、さらに結婚生活の満足度に関して4カ月ごとに3年間継続した調査データを収集し、これらを分析しました。

研究者らは、CD38遺伝子という遺伝子に着目して、新婚夫婦のCD38遺伝子の多型について調べました。CD38遺伝子は、対人コミュニケーション、社会的行動障害、自閉症などに関係する可能性があることが過去の研究で明らかになっています。

調査データを分析した結果、CD38遺伝子のCC型を持つ人は、他の遺伝子型(AC型、AA型など)を持つ人よりも、パートナーに感謝する気持ちが強く、パートナーへの信頼も高く、相手に対して寛容で、結婚生活への満足度が高いことがわかりました。

この結果について「CD38遺伝子のCC型を持っていないと結婚生活がうまくいかないという結論ではなく、より注意や努力が必要…ということです」と述べています。

【出典】

Anastasia Makhanova, James K. McNulty, Lisa A. Eckel, Larissa Nikonova, Jennifer A. Bartz, Elizabeth A. D. Hammock. CD38 is associated with bonding-relevant cognitions and relationship satisfaction over the first 3 years of marriage. Scientific Reports, 2021; 11 (1) DOI: 10.1038/s41598-021-82307-z