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中高年女性のボケ予防は子育てボランティアで!

老化脳

Posted on 2010.1.7

   
 
ジョンズホプキンスブルームバーグ公衆衛生学校のミシェル・カールソン博士らは、12月の『journals of Gerontology』で、中高年女性が『Experience Corps』と呼ばれる子育てを中心としたボランティア活動に参加することによって、6ヶ月後には脳の認知機能が向上することを報告しました。

この研究はボルチモアに在住の65歳のアフリカ系アメリカ人女性(65歳以上)で、認知機能の低下が見られ、教育レベルや所得水準も低めの17人をえらび、9人には小学校で『Experience Corps』のボランティア活動に6ヶ月間参加させ、8人には何もさせませんでした。

全参加者の脳のMRI画像を実験前後で撮影した結果、ボランティアに参加したグループの認知機能や精神的な機能が向上していることがわかりました。

『Experience Corps』は、子どもたちに本の読み聞かせや、けんかの仲裁、図書館でのサービスなどのボランティアを行うことで、子育てに参加し、社会貢献するだけでなく、女性たちが何十年も使わずにいた、子育てに関する脳の機能を活性させることで、認知症などを予防しようという試みだそうです。

博士らは「ボランティアとして子どもたちの世話をすることで、精神的にも肉体的にも中高年の女性を活発にして、子どもたちの役に立っていると思うことで、即物的なメリット以上のやりがいを感じることが、脳の活性化につながっているのではないか」と話しています。

*Primary source: *Journals of Gerontology: Medical Sciences
Source reference:
Carlson M, et al "Evidence for neurocognitive plasticity in at-risk
older adults: The Experience Corps Program" /J Gerontol A Biol Sci Med
Sci/ 2009: 64; 1275--82.