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【メディカル】甲状腺機能が低いほうが長生きする!?

老化

Posted on 2010.9.6

koujousenオランダ・ライデン大学のDiana van Heemst准教授らが、Journal of Clinical Endocrinology&Metabolism 8月25日オンライン版に発表した研究によると、長寿者が多い家系では甲状腺機能が低い遺伝 的特性があること明らかになりました。
准教授らはこれまでの研究で、長寿家系の中年期の人々の甲状腺機能が平均的な人と比べて低いことが知 られていることから、実際に長寿の人の甲状腺の機能がどうなのかを調査しました。421の長寿家系(兄弟姉妹のうち最低二人以上が男性89歳以上、女性 91歳以上であることが条件)から合計859人の90代の高齢者(平均年齢92.9歳)を調査対象被験者として血液サンプルが採取され分析されました。
調査対象被験者の両親の死亡年齢と、被験者の血液サンプルから得られた甲状腺機能の関係を分析した結果、遺伝的特性として甲状腺機能が低いことが長寿と結びついていることが統計的に有意に相関していることが明らかになりました。
この結果から准教授は、一般的に甲状腺の機能低下は心臓血管障害のリスクを高めると言われていることから、驚くべきことと受けとられる可能性があるが、甲状 腺機能が低いことで体のエネルギー消費が抑えられ、そのことで体全体をより長期間健康に保てる可能性もあるとしています。