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【メディカル】慢性的なストレスと反復性うつ病は老化を促進する!

老化

Posted on 2011.11.19

manseiutuスウェーデン・ウメオ大学のRolf Adolfsson教授らが、Biological Psychiatry 2011年11月9日オンライン版に発表した研究で、慢性的なストレス状態にある人や、反復性のうつ病の人々の白血球では、テロメ ア(染色体の末端にある構造で細胞分裂によりDNA複製が行われるたびに短縮し細胞老化の指標とされる)が短くなっており、これらの人々の老化が、加速・ 促進されている可能性が高いことがわかりました。
これまでの研究でテロメアは、酸化ストレスと炎症により短縮が促進されることが知られてお り、教授らは慢性的なストレスや反復性うつ病の患者は、こうした条件に当てはまっている可能性が高いため、今回の研究を企画しました。研究では反復性うつ 病の患者91名と、比較対照のために選ばれた健康な451名から血液サンプルを採取し、また被験者のストレスは、生理的な側面に関しては非常に低容量のデ キサメタゾン抑制試験を使用して、また心理的な側面は、質問紙テストにより測定されました。
データを分析した結果、反復性うつ病患者の白血 球のテロメアは、比較対照の健康な人よりも短くなっていました。また慢性ストレスを示す副腎皮質ホルモン・コルチゾルの水準が、テロメアの長さに相関性を 持ち、ストレス度が高い場合は、反復性うつ病患者と健康な人の、両方ともテロメアが短縮していることも明らかになりました。
この結果について教授らは、反復性うつ病ではコルチゾル制御の混乱と、ストレスが大きな役割を果たしているため、コルチゾルの水準が健康な人よりもストレスで混乱をきたしており、それがテロメアの短縮に継っていると考えられるとしています。