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大豆の代謝物エクオールは認知症リスクを下げる

老化食

Posted on 2020.10.25

米国ピッツバーグ大学の研究によると、大豆を食べた後に体内である種の腸内細菌の代謝物として生成される「エクオール」が、アルツハイマー型認知症の原因とされる脳の白質の変性レベルを下げて、認知症リスクを低下する可能性がわかり、2020年10月22日の『Alzheimer's & Dementia: Translational Research & Clinical Interventions, 2020』に研究成果が掲載されました。この研究は91人の認知症を発症していない日本人高齢者を対象に血中のエクオールレベルを測定したもので、 エクオールを生成できる人と比較して、エクオールを生成できない人の白質病変が50%多いことがわかりました。大豆に含まれる抗酸化物質の1つ「大豆イソフラボン」からエクオールを産生する能力は、 腸内細菌叢の中に「エクオール産生菌」がいるかどうかによって変わるということです。エクオールは、女性の更年期症状の改善や動脈硬化、心臓病、高血圧予防などの効果が報告されていますが、認知症予防に関しても今回の研究成果によって期待が高まりそうです。

【出典】 Akira Sekikawa et al. Associations of equol‐producing status with white matter lesion and amyloid‐β deposition in cognitively normal elderly Japanese. Alzheimer's & Dementia: Translational Research & Clinical Interventions, 2020 DOI: 10.1002/trc2.12089