コラムColumn

コーヒーオリゴ糖って?

Posted on 2009.6.15

 
コーヒーには、

①覚醒作用や利尿作用のある「カフェイン」、
②抗酸化作用のあるポリフェノールの一種である「クロロゲン」、③皮膚や粘膜をつくり、糖や脂肪の代謝、性ホルモンやインスリンの合成に欠かせないビタミンである「ナイアシン(ニコチン酸)」、

そして最近では

コーヒー豆のカスに、腸内細菌のえさとなって、腸の働きを整える「コーヒーオリゴ糖(コーヒーマンノオリゴ糖)」が含まれていることが味の素ゼネラルフーズ(AGF)の研究で発見されました。



コーヒーオリゴ糖の特徴は

①わずかに苦味のあるまろやかな甘み(砂糖の1/5の甘さ)
②ほかの食品に混ぜると、苦味や塩味、酸味、甘みなどさまざまな味を調える
③水に溶けやすい
④熱、酸、光などによって、変質しにくく安定していて、分解を起こさないので保存ができる
⑤カロリーが砂糖の約半分
⑥体内で消化されにくく、小腸の粘膜では96%が残存しており、腸内細菌のすむ大腸まで到達して、善玉菌のエサになることができる
⑦10数種類あるオリゴ糖の中でも、ビフィズス菌など善玉菌の栄養源にはなるが、大腸菌やウェルシュ菌などの悪玉菌には食べられないので、悪玉菌を増やさない。

コーヒーオリゴ糖の研究データをいくつか紹介すると

①コーヒーオリゴ糖を1日1g、2週間摂取したところ、便中のビフィズス菌の量が、摂取前は9%だったのに対し、摂取後は31%に上昇。排便回数・排便日数ともに増加した。

②BMI25以上の被験者48人に、コーヒーオリゴ糖入りのコーヒー飲料を300mlずつ12週間飲んでもらったところ、腹部皮下脂肪量が19.4平方cm減少した。

③コーヒーオリゴ糖3グラム入りのコーヒーを1日1回、一週間飲用させたところ、1日に排泄される脂肪量が、通常のコーヒー飲料を飲んだときと比べて約2倍多くなった。

④高血圧ラットの実験で、コーヒーオリゴ糖投与によって、収縮期血圧が低下した。さらに、血圧上昇の引き金になるアンドロステロン(副腎皮質から分泌するホルモンで、血圧を上昇させる要因になるナトリウムイオンの吸収を促進する)が減少していたことが判明。これは、腸内の善玉菌がつくる酢酸(プロオン酸)が増えることによって、血管の筋肉(血管平滑筋)を収縮させ、血管を狭くして血圧上昇を招くカルシウムを、より多く吸収するからではないかと考えられる。

コーヒーオリゴ糖はコーヒーとの相性もよく、コーヒーオリゴ糖入りのコーヒー飲料なども販売されています。