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【食】食物繊維は寿命をのばす?

Posted on 2011.2.18

seni食物繊維は、寿命を伸ばし、とりわけ心臓血管病や感染症、呼吸器疾患を予防する可能性があることが2月のオンライン版Archives of Internal Medicineで発表されました。
こ の研究は、アメリカ国立がん研究所のYukyung Park博士らが行ったもので、50歳から71歳までの56万7169人を対象として、1995年から1996年にかけて食事に関するアンケートを実施。 その後、調査対照になった人々を9年間追跡調査したところ、男性は2万126人、女性は1万1330人が死亡していました。
この疫学研究 で、食物繊維についての回答を分析した結果、1日に男性は平均29.4g、女性は平均25.8gの食物繊維をとっている「高摂取グループ」は、1日に男性 12.6g、女性10.8gしか食物繊維を摂取していない「低摂取グループ」に比べて、22%も死亡リスクが低いことがわかりました。
研究者らは 「食繊維が豊富な食事を摂ることで、健康に対する大きな利益が得られることがわかった」と述べています。アメリカの食事摂取基準では、1000kcalに つき14gの食物繊維を、野菜、果物、全粒粉など摂取することを目標にしており、豆や野菜については死亡率と弱い関連性が指摘され、果物については関連は 指摘されませんでした。
研究結果を分析すると、1日10gずつ食物繊維の摂取量が増えるごとに、「心臓血管病」のリスクについては、男性が 12%、女性は24%減少し、「がん」は男性8%、女性3%減少、「感染症」は男性が34%、女性は39%減少、「呼吸器疾患」は男性が18%、女性が 34%減少します。心臓血管病のリスクが、食物繊維によって減少するのは、脂質代謝、インスリン感受性、血圧などを改善する効果があることと関係している ようです。感染症の減少に関しては、心臓血管病や呼吸器疾患のリスク低下が影響するものと推察しています。
今回の研究では、食物繊維が各種 の疾病を予防するメカニズムは解明されておらず、食物繊維そのものの力ではなく、食物繊維をたくさん摂取している人の食事が、より健康的な食事であるため に、死亡率が低下した、つまり、「食物繊維の摂取量は健康的な食事をしているかしていないかの指標になる」ということにとどまるのではないかという指摘も ありました。