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【食】緑茶でドーピング検査をごまかせる可能性!?

Posted on 2012.5.30

ロンドン・オリンピック開幕まであと僅かになり、様々な競技で出場選手や出場チームが決定している昨今ですが、オリンピックへ向けてスポーツ好きの方などは、気分が盛り上がってきているのではないでしょうか。
さ て、ハンマー投げの室伏選手が金メダルを獲得した2004年のアテネオリンピックでは、ライバルがドーピングによって失格しましたが、ドーピング・チェッ クは、それを掻い潜って薬物使用してでも結果を出そうとする不正な競技者、コーチ、スタッフとのイタチごっこと化している面も否定できません。
英国・ロンドン・キングストン大学のDeclan Naughton教授らがSteroids 2012年第6号に発表した研究で、飲用の緑茶と白茶にスポーツ選手の異常な水準のテストステロンを尿検査で隠す作用があることが明らかになりました。
教 授らはこれまで制がん剤などが身体に留まる時間に食品成分と特定の酵素が、どのように反応して影響しているのかを分析調査していました。そうした研究の中 で、尿検査によるドーピング検査でテストステロン乱用のマーカーとなっているUDPグルクロン酸移転酵素が、緑茶や白茶に含まれる茶カテキンによって、尿 からの排泄を抑制されることがわかったということです。
ocha授によればカテキンが、この酵素が排泄されるために必要な分子の標識が付くことを ストップしてしまうため、腎臓で排出されるものではないと認知されてしまい、体内に留まってしまう、その結果として緑茶や白茶を大きなカップで一杯飲む と、茶カテキンの作用で30%もこの酵素の排泄が抑制されることが明らかになったということです。
これはテストステロンを乱用 していて、本来はドーピング検査で失格するであろう競技者が緑茶のカテキンの作用で、尿検査を突破する可能性があるということも意味するので、研究結果か ら教授は、茶カテキンに影響される尿検査ではなく、毛髪検査のほうがドーピングには適しているのではないかとしています。