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魚を食べると寿命が延びることが米国での研究で再確認!

Posted on 2013.4.15




魚が健康に良いこと、特に青魚が良いことは既にわが国では周知の事実といっても良いと思いますが、米国・ハーバード大学公衆衛生学部のDariush Mozaffarian博士らが、 Annals of Internal Medicine 2013年4月2日オンライン版に発表した研究によると、米国内の調査で魚介類を沢山食べている高齢者は、食べない人に比べて平均2.2年寿命が長いことが明らかになりました。
 
博士らは米国民を対象として行われている心血管健康調査の対象者で、調査開始時点で心血管疾患や脳卒中ではなかった2.692人の健康な高齢者(平均年齢74歳)の1992年から2008年まで16年間に渡って得られたデータを詳しく分析しました。
 
データには血液検査結果や身体運動機能のテスト結果、健康状態のデータ、生活状況調査、既往歴などが含まれていました。
 
博士らは調査開始当初に得られた血液サンプル中のオメガ3不飽和脂肪酸の血中濃度と心疾患などの発症リスク、および死亡リスクとの関係を分析しました。
 
その結果、心疾患などの発症リスクや死亡リスクに関与する社会経済状況や生活スタイル、他の健康要因などを除いた上でオメガ3不飽和脂肪酸(DHA,DPA,EPA)濃度と死亡リスク低下に相関性が存在することが分かりました。
 
DHAは冠動脈疾患の死亡リスクを40%低下、DPAは脳卒中死亡リスク、EPAは心臓発作リスクの低下に大きな影響があることが明らかになりました。
 
魚に多く含まれるこの3種類のオメガ3不飽和脂肪酸の血中濃度が高い高齢者は,低い人に比べて死亡リスクがトータルで27%低下しており、平均2.2年長生きしていることも分かりました。
 
博士ら今回の研究結果から脂の乗った青魚を週に160グラム程度食べることで血中のDHA,DPA,EPA,などのオメガ3不飽和脂肪酸濃度が上昇し健康リスクが低下するとしています。

Annals of Internal Medicine 2013年4月2日オンライン版