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エナジードリンクのあり方を問う欧州の研究報告

Posted on 2014.10.19

エナジードリンクは、1987年にヨーロッパで大流行して以来、世界の若者に大人気のドリンクです。現在世界に約500種類のエナジードリンクがあり、そ の特徴としては、カフェインと砂糖の含有量が多いこと。さらにタウリン、ガラナ、ニンジン、ビタミンなどの興奮作用が期待される成分が含まれているノンア ルコール飲料です。
最近ではエナジードリンクが不整脈や狭心症などの重大な心臓病を引き起こす可能性があることを、2014年8月に開催された欧州心臓病学会でも大々的に報告されています。
科 学雑誌『 Frontiers in Public Health』に掲載されたWHOのヨーロッパ地域事務所の研究者の研究レビューによると、エナジードリンクを飲む18歳~29歳の若者の約70%は、ア ルコールと一緒に混ぜてエナジードリンクを飲んでいることがわかりました。これは非常に危険な行為であることを研究者は付け加えています。
また、カフェインが多く含まれるエナジードリンクを常飲することで、カフェイン中毒になり、高血圧、心臓の動悸、けいれん、吐き気、精神疾患などを引き起こす症例が多数報告されています。
研 究者らは、販売時に年齢制限などがないエナジードリンクのあり方について、規制をする必要性を求め、さらにカフェイン含有量の上限を設定したり、年齢制限 や販売規制などを行うこと、アルコールとの混合による健康に対するダメージを訴求すること、潜在的な健康への悪影響についての学校教育を徹底するべきだと 述べています。
Energy Drink Consumption in Europe: A Review of the Risks, Adverse Health Effects, and Policy Options to Respond. Frontiers in Public Health, 2014