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【メディカル】交通量の多い通り沿いに住む子供は白血病になり易い!

教育、子育て病気

Posted on 2011.1.4

jutaiフランス・Université Paris-SudⅪ(パ リ11大学)のJacqueline Clavel博士らが、Environmental Health Perspectives 12月8日オンライン版に発表した研究で、交通量の多い道路に面した地域では、大気汚染や騒音に悩まされるだけでなく、そこで 生育する子供たちの、白血病リスクも高くなっていることがわかりました。
博士らはこれまでの研究で、自動車の排気ガスに含まれるベンゼンを 大量に曝されることが、成人の白血病の原因になりうるものであり、また排気ガス中の芳香族化合物は、僅かな量でも子どもの白血病のリスク要因である可能性 も指摘されている、交通量と子供の白血病の関係を大規模に調査しデータを分析しました。
博士らは2003~2004年に実施されたフランス 国内の15歳以下の子供のがんのナショナル・サーベイに基づき、急性白血病と診断された763人の子供の患者と、マッチングされた電話帳から選ばれた対照 群の子供1681人を対象に、その母親に対して面接調査を実施し、子供たちのデモグラフィック・データ、家庭の社会経済状況、居住地、子供の既往歴などが 調べられました。
データを分析した結果、交通量の多い幹線道路から、100m以内の地域に住んでいる子供の急性白血病発症リスクのオッズ比 は3.7、300m以内ではオッズ比は2.4、500m以内ではオッズ比2.0、幹線道路に近いほど、急性白血病リスクが高くなっていることが明らかにな りました。
博士はさまざまな潜在的交絡因子(親の喫煙、農薬、既往歴など)の要因を調整した上で、幹線道路からの距離との相関が有意であることが明らかになったとし、今回の調査で欠けているとしたら家庭内での携帯電話使用状況だけであるとしています。