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【メディカル】ステロイド剤で皮膚が薄くなることはない

教育、子育て病気

Posted on 2011.4.23

24アトピー性皮膚炎の治療薬として用いられるステロイド剤(副腎皮質ステロイド軟膏:コルチコステロイド)を塗ることで、アトピー患者の子供たちの皮膚が薄く なるという“伝説化した”副作用は、発見されなかったことが、オーストラリア・シドニー大学のGayle Fischer博士らによって明らかになり、オンライン版のPediatric Dermatologyに掲載されました。
ステロイド剤は、必要以上に強力なものを使うと、副作用が出ることは広く知られています。これが誇張して伝わり、アトピー性皮膚炎の子供を持つ親の間では、 治療薬として適切に処方されているステロイド剤で、皮膚が薄くなってしまうという根拠のない噂が流布し、病院に行かずに適切な治療を受けていない子供が多 いことを研究者らは懸念しています。
この研究は70人のアトピー性皮膚炎または乾癬・湿疹の子供で、少なくとも3ヶ月以上ステロイド剤を適切な処方のもとで使用しているケースと、ステロイド剤以外の非炎症性治療薬を使っている20人の子供を比較分析しました。
その結果、数人の患者に毛細血管拡張症状が見られましたが、毛細血管拡張症を起こすリスクについては、ステロイド剤を正しく処方したグループが3.3%、非 炎症性治療薬を使用したグループは3.1%で、大きな違いはありませんでした。皮膚線条、萎縮性瘢痕(はんこん)、紫斑(皮下出血による出血斑)などにつ いては、どちらのグループにも見られませんでした。
この結果から研究者らは、ステロイド剤を正しく使用すれば皮膚が薄くなるなどの副作用は起きず、科学的根拠のないステロイド剤に対する偏見で、子供たちのアトピー性皮膚炎の治療を遅らせて、さらに悪化させないようにしてほしいと指摘します。