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7歳時点の算数と読解・読字能力が成人後の職業と所得に大きな影響あり!

教育、子育て

Posted on 2013.5.13

 
 
 

日本では江戸時代から武士以外の庶民でも子供の将来のために読み書きそろばんを身につけさせることが大事であるとして寺子屋教育が普及していましたが、その入学年齢は通常6歳から8歳頃だったといわれています。
 
わが国を含めて多くの国の初等教育が満6歳頃を入学年齢としていますが、英国・エディンバラ大学のStuart Ritchie博士らがPsychological Science 2013年5月2日オンライン版に発表した研究で、7歳のときの算数と読解読字能力が、数十年後における社会経済的地位に大きく関係していることが明らかになりました。
 
博士らは英国内で1958年以降に生まれた17.000人のデータを使用して、子供時代の算数と読解読字能力と将来の社会経済的地位との関係を分析しました。
 
その結果、7歳時点での算数と読解読字能力が高かった人は、35年後の42歳時点で、より高所得で、より良い家に住み、より社会的評価の高い職業に就いていることが分かりました。
 
そして他の要因を考慮しても、長期的にこうした相関性が統計的に有意に存在することが明らかになりました。
 
博士らの分析結果によると、例えば7歳時点の読解読字力の成績が1段階上がるごとに、42歳時点で5.000ポンド年収が高くなる関係が見出されたということです。
 
博士らは今回の結果は学齢初期の段階での算数能力と読解読字能力を向上させることは、子供の将来の社会経済的地位に大きく影響を与えられることを示唆しているとしています。

Psychological Science, 2013年5月2日 オンライン版