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幼児虐待や日常的な体罰は成人後の肥満、関節炎、心臓病のリスクを高める

教育、子育て病気

Posted on 2013.7.19

 


子供の頃に日常的に虐待や体罰を受けて育った子供は、受けなかった子供に比べて、大人になってから肥満、関節炎、心臓病になるリスクが高いことが、カナダのマニトバ大学Tracie Afifi博士らの研究で明らかになり、2013年7月15日のオンライン版のPediatricsで発表されました。

この研究は2004年~2005年に行われたアルコール摂取とそれに関する生活状況についての疫学研究調査を分析したもので、調査対象は34226人のアメリカ人。

分析の結果、子供の頃に虐待や体罰を受けていた人は、受けていなかった人に比べて、大人になってから肥満になる人が24%、関節炎を起こしている人が35%、さらに心臓病になる人が28%も多かったことがわかりました。

研究者らは、この原因として、幼少期に日常的に虐待を受けることによって、脳の視床下部と副腎皮質系の機能不全や脳機能の変性が起き、それが健康状態を悪化させる引き金になっているのではないかと推察しています。

Afifi TO, et al "Harsh physical punishment in childhood and adult physical health" Pediatrics 2013; DOI: 10.1542/peds.2013-4021.