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デジタル化によって子どもたちの「感情を読み取る能力」が低下?

教育、子育て

Posted on 2014.8.26

phm20_0479-sカリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究によると、テレビ、スマホなどのデジタル画面を 見ることで、子どもたちの「他人の感情を読み取る能力」が低下することが明らかになり、2014年8月の科学雑誌『Computers in Human Behavior』のオンライン版に掲載されました。(雑誌への掲載は2014年10月号です)
この研究によると、小学校6年生を対象 に5日間はスマホやテレビなどのデジタル画面を見ないロサンゼルスからおよそ100キロ離れた自然に囲まれたキャンプに参加した51人の児童グループと、 キャンプに行かずに毎日スマホやテレビを見ていた54人の児童グループに分けて、アンケートやインタビュー調査をしました。
調査は両方のグループに、怒り、悲しみ、喜びなどを表現した第三者の写真を48枚用意して、児童にその表情から感情を推察させました。
その結果、デジタル画面を見ずに5日間のキャンプに参加した児童グループは、参加前よりも、キャンプに参加しなかったグループよりも、他人の表情を読み取る能力が高まっていることが明らかになりました。
こ の結果について、研究者らは、デジタルディバイスは、知識を高め自主学習するのには大いに有効ではあるものの、人間は人と人とのリアルな接触を通じて、コ ミュニケーション能力を養っており、デジタル社会がそれを阻んでしまうことによって、人間としてのコミュニケーション能力が低下する恐れがあるため、幼少 期は特に、社会性、社交性を養うためにも、デジタル画面を見ずに人と交流するチャンス(ディバイス・フリー・タイム)を多く持たせるべきだと述べていま す。
Five days at outdoor education camp without screens improves preteen skills with nonverbal emotion cues. Computers in Human Behavior, 2014