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デジタルメディアは若者の幸福度を高めない

教育、子育て

Posted on 2018.2.6

【デジタルメディアは若者の幸福度を高めない】
2016年の日本国内のインターネット利用者は、1億84万人、人口普及率は83.5%と上昇傾向にあります。パソコンやスマホで調べたいことや必要な情報を24時間いつでも入手することができ、赤の他人もつながることができるインターネットは実に便利で、利用者が増加するのも当然です。さて、私たちはインターネットで幸福になっているのでしょうか?そんなインターネットなどのデジタルメディアと幸福感に関する興味深い研究結果がありましたので紹介します。
米国サインディエゴ大学が1991年から2016年までに、米国の若者(8学年=中学2年生、10学年=高校1年生、12学年=高校3年生)110万人を対象に行った調査によると、パソコンやスマートフォンなどの画面を見る時間の多い10代の若者は、見る時間が少ない若者に比べて、幸福度が低いことが明らかになり、2018年1月の『Emotion』で発表されました。
この研究で、最も幸福度が高いと回答した10代の若者は、パソコン、スマホなどを使っている時間が1日1時間未満でした。さらにデジタルメディアとの接触時間が延びれば延びるほど、幸福度は低下する傾向にありました。この結果は、若者の睡眠時間とも関係しており、デジタルメディアに接触する時間が長い若者ほど、睡眠時間が短いことも明らかになりました。
私がいまとても心配なのは、子育て中のお母さんがスマホばかり見て、子どもに話しかけたり、子どもを見つめる時間が少なくなっているのではないかという不安です。子どもと一緒のときはなるべく子どもの顔を見て話しかけてください。

Jean M. Twenge, Gabrielle N. Martin, W. Keith Campbell. Decreases in Psychological Well-Being Among American Adolescents After 2012 and Links to Screen Time During the Rise of Smartphone Technology.. Emotion, 2018