コラムColumn

歯周病予防には歯磨きより禁煙~ローマ時代に歯周病は少なかった

その他

Posted on 2014.10.22

英国のキングスカレッジ・ロンドンの研究によると、歯磨きの習慣や歯科医院もなかったローマ時代のほうが、現代よりも歯周病に悩む人が少なかったことが明 らかになり、歯周病の原因が喫煙や糖尿病に関係していることが推察されると、2014年10月号の電子版『British dental journal』で報告されました。

これは英国南西部のドーセット州パウンドベリー村にある遺跡から発掘された紀元200~400年ごろの人骨303体を分析調査した結果によるもの。

そ の結果、古代の英国人の人骨に残る歯には、穀物や硬い食べ物による歯質喪失(歯の表面の侵食)やう歯(虫歯)は多いものの、慢性、進行性の歯周病は人骨全 体の5%に留まり、現代人では15~30%が慢性の歯周病が見られることから、歯磨きや歯科医院などがなかった時代にもかかわらず、現代人よりも歯茎は健 康だったことが明らかになりました。

これについて研究者らは、当時の平均寿命は40歳で死因は感染病によるものが多く、タバコを吸う習慣 がなく、糖尿病を発症する遺伝的な特性もない人種だったので、歯周病発症の2大要因である喫煙と糖尿病がいかにわれわれの歯茎を蝕み、歯を失わせているか を、古代の先祖たちが雄弁に語っていると述べています。

The prevalence of periodontal disease in a Romano-British population c. 200-400 AD. BDJ, 2014

写真は紀元350年ごろの推定年齢25歳程度の女性の骨と見られる
T. Raitapuro-Murray, T. I. Molleson & F. J. Hughes BDJ 217, 459 - 466 (2014) Published online: 24 October 2014 doi:10.1038/sj.bdj.2014.908