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【メディカル】電離放射線画像診断を受ける前に、抗酸化物質の服用が有効である可能性が!

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Posted on 2011.4.3

radi特別に処方された抗酸化物質をCTスキャンなどの電離放射線を利用した画像診断を受ける前に経口服用することで、細胞のDNAが受ける損傷を、最大50%減らすことができる可能性があることが、米国・シカゴで2011年3月26日から31日まで開催されたSociety of Interventional Radiology's 36th Annual Scientific Meetingでカナダ・トロント大学放射線科のKieran J. Murphy教授らが発表した研究で明らかにされました。
博士らはCTスキャンやマンモグラフィーなど画像診断のプラスの側面に対し、そうした放射線被曝が、長期的には発がんの原因にもなることから、何とか放射線被曝による潜在的な有害性を減少することはできないかと考え、今回の研究を企画したということです。
教授によると、X線が体内の水分子と衝突することでフリーラジカルが発生し、それがDNAに対してダメージを与え、ついには細胞死にまで至るので、彼らが開発した特別に処方された抗酸化物質が、放射線障害に媒介されたフリーラジカルからDNAを守れるかどうかを実験したということです。
実験ではDNAのダメージを測定するため、2人のボランティアから繰り返し採取された血液で、4つの独立したテストが実施され、データが分析されました。
蛍光タグを付けた特定タンパク質のDNA鎖が切断され、そして修復されたサインを3-D顕微鏡で見つけることで、DNAの損傷が測られました。修復の印が多いほどCTスキャンによって惹起された損傷と修復の跡であることがわかり、それがDNAがダメージをより多く受けたに違いないことを示すからだということです。
分析の結果、教授らが開発した特別な処方の抗酸化物質ミックスをCTスキャンを受ける前に経口服用した場合、明らかにDNAの修復が少なく、つまりDNAの損傷が最大50%減少していることがわかりました。
博士らは今回の実験結果を受け、次のステップとして臨床治験をトロントで行うということです。