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【メディカル】低アレルギーな小型犬でも犬アレルギーを十分に予防できない

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Posted on 2011.7.23

inuオバマ大統領は娘が犬アレルギーなので、小型で大人しい低アレルギー犬の「ポルトガルウォータードック」の「ボー」を飼っていることは、世界的に有名です。
以 来米国では、抜け毛、フケ、ノミが少なく、吠えて飛沫を撒き散らさない大人しい小型犬がいわゆる「低アレルギー犬」と言われ、犬好きで、犬アレルギーを持 つ人に、人気を呼んでいますが、実際には低アレルギー犬は、ヒトの犬アレルギーを予防する効果が十分でないことが、米国ヘンリー・フォード健康システムに 所属するCharlotte Nicholas博士らの研究によって明らかになり、2011年7月12日付のオンライン版American Journal of Rhinology & Allergyで報告されました。
この研究は173軒の犬を飼っている家のハウス ダストを分析し、犬アレルギーを引き起こす原因になる抗原「CanisFamiliaris1」の量を測定しました。そのうち全体の25%が低アレルギー 犬を飼っていました。その結果、全体の94.2%に、犬アレルギー抗原が発見され、低アレルギー犬とそうでない犬を飼育している家を比較しても、大きな差 はなかったということです。
研究者らは、今後は、犬がどれぐらい室内で飼育されているか、犬の正確な大きさ、犬が赤ちゃんの寝 室で何時間過ごしているか、家の環境などについても調べる必要があり、犬の毛からできる限りサンプルを収集して、それを分析し、本当に低アレルギーな犬が どの犬種かを正しく調べてみたいと述べています。