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【ライフスタイル】運転中のMP3プレイヤー操作は不注意を増加させる可能性!

その他

Posted on 2012.5.7

DriveMP現在販売されている4輪自動車のほとんどのカーオーディオシステムは、消費者のニーズに合わせて、MP3プレイヤーに対応しているか、もしくはカーナビのオーディオ機能が、MP3ファイルに対応しているか、その結果として、いずれにせよ以前に比べて、はるかに多くの種類の楽曲を運転中に自由に選択して車内で聞くことが可能になって来ました。
メーカーも運転中に操作される機器であるため、運転者が不注意にならように操作性を高めたインターフェースの商品を、次々開発しています。しかしながら、米国・ウィスコンシン大学のJohn D.Lee博士らがHuman Factors 2012年4月号に発表した「Scrolling and Driving(スクロールと運転)」と題した研究で、どのような機器を使用するか、好みの曲を探すため、どのくらいの時間、前方から目をそらすかなどで、場合によっては不注意リスクが高まることが明らかになりました。
博士らは50人のドライバー(18-25歳)を対象に、収録曲数の多少を変えたMPプレーヤーか、市販のコントローラーかを使用して、運転中に特定の曲を探させ、注意力がどうなるか実験を行いました。
実験では運転シミュレーターが使用され、被験者は様々な交通パターンの状況で、車線変更を伴う運転課題と同時に、上記のMP3プレイヤー操作を行うもので、比較対照として同様に運転しながら、カーラジオの特定の局にチューニングする場合も調べられました。
分析の結果、収録曲が多い(580曲)時には少ない場合よりも、スクロールして探索する時間も長く、道路から目が離れる頻度も時間も長くなり、運転のパファーマンスも悪化しました。また市販のより機能の利便性が高いはずのコントローラーでも効果はなく、同様の結果でした。
この結果から博士らは、新しい技術の商品は、ラジオのような古いものよりも日常生活で使われ、馴染んでいるものではあるが、曲の選択などで、つい自分が思っているよりも長くかかってしまい、道路から長時間注意がそれてしまう恐れがあり、非常に危険であるとし、曲のスクロールに関して、マン・マシンインタフェースの面で、より安全になるような技術開発がメーカーに求められるとしています。