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【ライフスタイル】注意散漫な人はテロメアが短いので短命?!

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Posted on 2012.11.24

テロメアは染色体の末端にある構造で、このテロメアの長さと寿命には関係があることが近年明らかにされ、長いほどその後の細胞の命が長く続くことがわかってきましたが、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のElissa Epel博士らがClinical Psychological Science 2012年11月15日オンライン版に発表した研究で、注意力や意識の集中・安定状態と、テロメアの長さに関係があることが明らかになりました。
博士らは古来より修行を積み、常に泰然として心の平静を保つ僧侶などが、長寿であることが多いことから、こうした心の平静さや集中力を保つ力と逆にいつも落ち着かず、注意散漫で不安に駆られる心の状態の人は寿命が短いのではないかと考え、心の状態と寿命の関係が、最近の研究で寿命との関係が明らかになったテロメアの状態でわかるのではないかと考え調査しました。
att調査は239人の健康でストレスの程度が少なく高学歴の中高年女性(50~65歳)を対象に実施され、彼女たちの注意散漫の傾向、現在の心理的な苦悩程度と幸福度を調査すると同時に、細胞のテロメアの長さが測定されました。
データを分析した結果、ストレスの要因を除外して分析しても、自分が注意散漫で集中力に欠けると答えた女性のほうが、そうではない女性よりテロメアが短く、心が平静で今現在していることに集中力が高い女性のほうが、テロメアが長いことが明らかになりました。
この結果から、博士らは成人のテロメアの長さは個人差があるが、その原因の1つがこうした精神の安定度、集中力の違いが生物学的な健康度に影響を与えることで細胞の寿命が短くなる(テロメアが短くなる)ことにある可能性が明らかになったのではないかとしています。