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【ライフスタイル】ポジティブな言葉が聞こえると無意識に力が入ることが明らかに!

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Posted on 2012.12.12

posiスポーツの試合中に選手に対して「それいけ」とか「よっし!いいぞ、突っ込め」など選手を応援し、力づける意図を持った言葉がコーチ や応援団から発せられるのは、日常的によく見られる光景ですが、フランス・リヨン大学認知科学研究所のPia Aravena博士らが2012年12月5日のPLOS ONE に発表した研究で、身体活動に関わる動詞を積極的な文脈で聞くと人は無意識に自動的に手で物をより強く握るようになることを実験的に明らかにしま した。
博士らは健康で聴覚の異常が無く精神、神経科の既往歴のない右利きの学生25人(男性14人女性11人、平均年齢23歳)を対象に実 験を行いました。実験で学生たちは握力を計測するセンサーを握りながら、動作に関するさまざまな動詞の言葉(例えば投げる、引っかく、など)を肯定的、否 定的などいろいろな文脈の中で聞かされ、その際の握力の変化が計測されました。
データを分析した結果、「投げろ」など肯定的、積極的な文脈の中で動作に関する動詞を聞かされる場合は、無意識に握る強さが増しており、一方「投げるな!」など否定的、消極的文脈で動詞の単語が使われても握る力に変化は出ませんでした。
博士らはこの研究結果は、言葉の身体運動に対する誘引効果が文章文脈に依存することを実験的に明らかにした最初のものであり、今後はこの研究を進めて言語障害と運動機能障害のリハビリテーションなどに活かしたいとしています。