コラムColumn

リーダーシップ遺伝子が発見された?!

その他

Posted on 2013.1.21

 

わが国の政治家は二代目三代目四代目と歌舞伎の世界のように世襲することが当たり前のようになっています。こうしたことはその個人の能力よりも、世襲政治家が持つ地盤看板の力によるものと見なされがちです。

 

また「売り家と唐様で書く三代目」という有名な江戸時代の川柳があります。初代が苦労して為した事業や財産を、孫は教養を身につけたものの、本業のほうは上手く行かず、家を売るほどまでに没落してしまうことを揶揄(やゆ)したものです。

 

こうしたことを避けるため江戸時代、能力のない息子を廃嫡し、養子に跡を継がせることで商家や大名などが家を守ることがあったことは良く知られています。

 

リーダーシップ、すなわち組織を統率する能力は遺伝しないのでこうしたことが行われたのではないかと一般には考えられがちですが、英国・University College Londonの Jan-Emmanuel De Neve博士らがLeadership Quarterly 2013年2月号に発表した研究で、リーダーシップは経験によって身につくスキルとしての部分もあるが、特定の遺伝子の存在による個人特性も大きく関わっていることが明らかになりました。

 

博士らは英国・米国で集められた約4.000人の双子の遺伝子データと職業、健康データを分析しました。

 

その結果、rs4950という遺伝子型の存在と職業上リーダーシップを必要とする管理職など指導的立場を持つことの間に大きな相関性があることが分かりました。

 

博士らによるとリーダーシップ能力の個人差の約四分の一が、この遺伝子型で説明できるとし、リーダーシップは経験も重要だが遺伝も大きく関与していることが明らかになったとしています。

 

今後はこの遺伝子がどのようなプロセスで教育や養育環境と影響しあってリーダーシップの能力を育てるのか、さらに研究をすすめたいとしています。

 

Leadership Quarterly 2013年2月号