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フェイスブックなどを積極的に使用するメリットが明らかになった!

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Posted on 2013.3.1

 
 
 

わが国でもソーシャルネットワーク(SNS)利用者は、スマートフォンの普及と相俟って急増していますが、南アフリカ・ケープタウン大学のKevin Johnston博士らが、Behaviour & Information Technology 2013年1月号に発表した研究で、フェイスブックを積極的に利用することが、ソーシャルキャピタルを充実させ、結果として利用者の心理状態に好影響を与えていることが明らかになりました。
 
ソー シャルキャピタルとは、経済学などでは「社会資本」、すなわち道路、港湾、水道、鉄道、学校などの社会基盤を意味する用語として使用されていますが、それ とは別に社会学などの用語として、「社会関係資本、人間関係資本、社交資本、市民社会資本」などとも訳される「人々の持つ信頼関係や人間関係の水平的ネッ トワーク」を意味する言葉としても使用されています。
 
こ れまでの研究で、この意味でのソーシャルキャピタルが、人々の精神的な健康や経済状態に大きな影響を及ぼすことが知られており、またフェイスブックの利用 が、個人のソーシャルキャピタル形成に、積極的に関与していることを示唆する米国での研究結果などから、南アフリカにある7つの大学の800人の大学生を対象に、フェイスブックと上記のソーシャルキャピタルの形成、そしてメンタルヘルスなどとの関係について調査しました。
 
データを分析した結果、フェイスブックの積極的使用、利用頻度の高さと学生たちの感じている自分自身のソーシャルキャピタルの維持、人間関係の絆や橋渡しとの間に、強い関連が存在することが明らかになりました。
 
また同時にフェイスブックの利用が、学生たちの精神衛生にも良い影響を与えていることも分かりました。
 
博士らは今回の研究結果は、フェイスブックの利用は、特に自己評価が低く自尊心が低下しており、生活満足度の低い学生のために利益をもたらすことを示唆しており、積極的利用が彼らに好影響を与える可能性が高いのではないかとしています。
 
Behaviour & Information Technology 2013年1月号