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タトゥーは結局後悔する!英国での研究

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Posted on 2013.4.2



以前は公衆浴場、温泉、プール、などで「刺青の方はご遠慮下さい」と掲示されていましたが、最近は「刺青、タトゥーの方はご遠慮下さい」と表記が変わっているところが多くなりました。

若者は日本の刺青と海外のスポーツ選手やミュージシャンのタトゥーが、まるで異なるものであるかのようにファッションの1つと考えて、気軽に彫ってしまうようですが、手法やデザインが違うだけで同じものです。

わが国では江戸時代に大流行し、明治に入って刺青が法的に禁止されたため、アンダーグラウンドな世界で生きる人間のシンボルとも、看做されるようになった経緯があります。

さて上記のように最近では若者が気軽に彫ってしまうタトゥーですが、英国・ロイヤルブラックバーン病院のCaroline Owen医師が、2013年3月1~5日に米国・フロリダ州マイアミビーチで開催されたアメリカ皮膚学会71回総会で発表した研究で、英国ではタトゥーを入れた人の約三分の一が後悔していることが明らかになりました。

Owen医師は16歳以上の皮膚科の患者に対し調査を行い、無記名で580人のタトゥー入れ墨者の回答を得て分析しました。

その結果、①男性は女性よりもタトゥーを入れたこと後悔している人が多いこと、②16歳以前に若気の至りでタトゥーを入れた人は、それ以降の年齢で入れた人よりも後悔している人の割合が3倍以上であること、③後悔している人の約半数近くが消したいと考えていること、④後悔している人が最も少ないのは21歳以上でタトゥーを入れた女性であること、⑤目につきやすいところに入れた人ほど後悔していること、などが明らかになりました。

また若いときほどきちんとしたプロの手ではない事が多く、後悔も多くなる傾向もわかりました。Owen医師は消してしまいたいタトゥーが引き起こす心理的なダメージがあることを考えると、皮膚科医は早すぎるタトゥーの弊害などについて啓蒙活動をすべきだろうとしています。

American Academy of Dermatology (AAD) 71st Annual Meeting: Abstract P7114. Presented March 2, 2013.