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飲酒が脳を萎縮させやすい年齢は?

その他心理脳食

Posted on 2021.1.16

2020年12月4日付の『British Medical Journal』に掲載されたオーストラリアとイギリスの研究によると、飲酒によるアルコール摂取が脳に与える影響が最も大きくなる可能性が高いのは、15~19歳、65歳以上、妊娠中から出産までだということです。この研究では妊娠中の大量のアルコール摂取は胎児の脳容量の減少と認知障害のリスクを高めることが指摘されています。さらに少量や中程度の飲酒であっても妊娠中のアルコール摂取が、胎児の脳の成長に負の影響を与える可能性が高いことを付け加えています。15歳から19歳までの青年期に関しては、青年期の大量のアルコール摂取が脳の白質量の減少をおこし、その影響による認知機能の低下が指摘されています。高齢者では飲酒が高血圧や喫煙よりも、認知症リスクを高める要因になっていることが指摘されています。また高齢期のアルコール摂取は適度であっても脳容量の減少リスクがあるということです。研究者はこのようにアルコール摂取が生涯を通じて人間の脳を脅かしていることを周知させる必要があると述べています。

【出典】

Louise Mewton, Briana Lees, Rahul Tony Rao. Lifetime perspective on alcohol and brain health. BMJ, 2020; m4691 DOI: 10.1136/bmj.m4691