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COVID-19英国系統変異株の死亡リスク

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Posted on 2021.8.27

英国エクセター大学とブリストル大学の疫学者による極めて重要な研究 によると、新型コロナウイルスの英国ケントで2020年9月に確認された B.1.1.7英国系統変異株(または VOC202012/01 )は、従来型のウイルスに比べて、死亡率が高いことが明らかになり、 2021年3月の『British Medical Journal(BMJ)』に報告されました。この研究によるとB1.1.7英国系統変異株が検出された54,906人中227人が死亡していることがわかり、同様の母集団で従来型の株に感染した場合の死亡者数は117人に比べて、死亡率が高いことが明らかになりました。B.1.1.7英国系統変異株は検出された当初から感染力が強いと言われていた一方で、重症化リスクは低いとみなされていましたが、ゲノム解析結果によって、実は死亡リスクの高い変異株だったことが明らかになりました。この結果について研究者は「SARS-CoV-2は迅速に変異する可能性があり、ワクチンに対する耐性を伴った変異株が発生することも懸念されています。新しい変異株が発生したときに、それらを監視し、ウイルスの特性を科学的に分析した上で、一般市民に理解可能で正確な情報を届けることで、適切な感染予防行動をとれるようにすることが重要です」と述べています。

【出典】Robert Challen, Ellen Brooks-Pollock, Jonathan M Read, Louise Dyson, Krasimira Tsaneva-Atanasova, Leon Danon. Risk of mortality in patients infected with SARS-CoV-2 variant of concern 202012/1: matched cohort study. BMJ, 2021; n579 DOI: 10.1136/bmj.n579