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気候変動を考えた農業で栄養バランスも整う

その他食

Posted on 2024.6.7

人口増加による食糧危機、気候変動や農作物の不作、自然災害などを防ぎ、将来まで安定的に食糧を供給するためには、農業計画・政策の見直しが必要であることが、英国リーズ大学の研究で明らかになり、2024年1月の「Nature Food」に掲載されました。

サハラ以南のアフリカには約 12 億人が住んでおり、世界銀行の統計によると、人口は 2050 年までにさらに 7 億 4,000 万人増加すると予想されています。

一方この地域では、主食になるトウモロコシの生産がさかんですが、同じ作物ばかりを生産することによる連作障害や、それを食べて生活する人々の栄養の偏りによる健康問題にも配慮した農業政策が必要であると考えて、サハラ以南の4カ国(マラウイ、南アフリカ、タンザニア、ザンビア)が、気候変動に配慮した栄養安全保障に向けた食料システムの変革について調査を行いました。

その結果、果物、野菜、キャッサバ、キビ、ソルガムなどの作物の生産で多様化を図ることにより、人々が健康に不可欠な微量栄養素を十分に摂取できるようになり、国内の栄養安全保障が改善されると主張しています。また研究者は、トウモロコシ栽培の一部を気候変動のストレスに比較的強い大豆の栽培に切り替えることにより、収入の安定化だけでなく、消費者の栄養バランスの面でもプラスになる可能性があることを説明しています。

【出典】 Stewart Jennings, Andrew Challinor, Pete Smith, Jennie I. Macdiarmid, Edward Pope, Sarah Chapman, Catherine Bradshaw, Heather Clark, Sylvia Vetter, Nuala Fitton, Richard King, Sithembile Mwamakamba, Tshilidzi Madzivhandila, Ian Mashingaidze, Christian Chomba, Masiye Nawiko, Bonani Nyhodo, Ndumiso Mazibuko, Precious Yeki, Pamela Kuwali, Alfred Kambwiri, Vivian Kazi, Agatha Kiama, Abel Songole, Helen Coskeran, Claire Quinn, Susannah Sallu, Andrew Dougill, Stephen Whitfield, Bill Kunin, Nalishebo Meebelo, Andrew Jamali, Dhaquirs Kantande, Prosper Makundi, Winfred Mbungu, Frank Kayula, Sue Walker, Sibongile Zimba, Joseph Hubert Galani Yamdeu, Ndashe Kapulu, Marcelo Valadares Galdos, Samuel Eze, Hemant Tripathi, Steven Sait, Stefan Kepinski, Emmanuel Likoya, Henry Greathead, Harriet Elizabeth Smith, Marcelin Tonye Mahop, Helen Harwatt, Maliha Muzammil, Graham Horgan, Tim Benton. Stakeholder-driven transformative adaptation is needed for climate-smart nutrition security in sub-Saharan Africa. Nature Food, 2024; DOI: 10.1038/s43016-023-00901-y