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夜間の光は肥満やうつ病リスクを高める

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Posted on 2025.8.13

夜間の光は深刻な健康リスクであり、肥満やうつ病の増加とも関連している可能性があることが、最近研究で明らかになりました。さらに今回の研究では、夜間の人工光曝露が睡眠の質を損なうだけでなく、免疫系の機能不全、神経炎症、代謝障害、気分障害に至るまで多方面に影響を及ぼすことを、米国ウェストバージニア大学の研究で明らかにしました。この研究成果は2025年7月の「Brain Medicine」に掲載されました。

 

数百万年かけて自然の明暗サイクルに適応してきた人類にとって、現代的な夜間光は深刻な健康リスクであり、肥満やうつ病の増加とも関連している可能性があります。

 

博士は七面鳥加工工場での夜勤や検死助手といった異色の職歴を経て、概日リズム研究の第一人者へと成長し、基礎研究と臨床試験の両面から光の影響を解明してきました。

 

集中治療室の照明調整による脳卒中や心臓手術患者の回復率向上、夜勤看護師に青色光バイザーを使用して概日リズムをリセットし、睡眠や気分を改善する試みなど、応用研究も進んでいます。

 

また博士は、時間帯を「生物学的変数」として考慮する重要性を強調し、科学研究の再現性向上に資する視点を提示しています。こうした成果は、夜間のスクリーンタイム削減や暖色系照明の活用、一定の睡眠スケジュールの維持といった日常の小さな工夫が、慢性疾患の予防に大きく寄与し得ることを示しています。

 

この研究のリーダーであるウェストバージニア大学神経科学科長のランディ・J・ネルソン博士の近著『Dark Matters』では、良好な概日リズムが健康と長寿の鍵であることを一般読者にもわかりやすく解説し、現代生活を自然光のリズムに近づける重要性を訴えています。

 

【出典】 Randy J. Nelson. Randy J. Nelson: Disruption of circadian rhythms on brain function and health. Brain Medicine, 2025; 1 DOI: 10.61373/bm025k.0083

【アメブロ記事】https://ameblo.jp/uyamonika/entry-12922517811.html

 

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