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風邪の重さ・軽さは鼻の初動反応で決まる!

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Posted on 2026.1.11

同じ環境で同じウイルスにさらされているのに、重い風邪をひく人と、ほとんど症状が出ない人がいます。

その違いは、ウイルスの強さではなく、感染直後の「鼻の細胞の初動対応」にあることが分かってきました。
この研究は、Cell Press の関連誌に掲載されました。

風邪の主な原因であるライノウイルスは、まず鼻の粘膜に侵入します。

すると鼻の細胞は即座に連携し、インターフェロンと呼ばれる抗ウイルス物質を放出します。

この反応が速く、強く起こる人では、症状が出る前にウイルス増殖が抑え込まれます。

つまり「ひどい風邪にならない」のです。

一方、この初期反応が遅れたり弱かったりすると、ウイルスは鼻腔内で急速に増殖します。

すると別の炎症経路が活性化され、粘液の過剰分泌や強い炎症が起こり、

鼻水、咳、呼吸の苦しさといった典型的な“重い風邪症状”につながります。

研究チームは、ヒトの鼻組織を再現した精密な実験モデルを用いてこの過程を観察しました。

免疫細胞が存在しない状態でも、鼻の上皮細胞そのものが、

風邪の重症度を左右する主役であることが示されました。

この研究は、「風邪をひくかどうか」「どれくらいつらくなるか」を決めているのは、

ウイルスそのものよりも、体が最初の数時間でどう反応するかだという考えを裏付けています。

将来的には、この初期防御を高めることで、風邪や喘息悪化を防ぐ新たな治療法につながる可能性もあります。

 

【出典】 Bao Wang, Julien A.R. Amat, Valia T. Mihaylova, Yong Kong, Guilin Wang, Ellen F. Foxman. Rhinovirus triggers distinct host responses through differential engagement of epithelial innate immune signaling. Cell Press Blue, 2026; 100001 DOI: 10.1016/j.cpblue.2025.100001