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【食】体重を減らすと記憶力が良くなる!

肥満

Posted on 2011.4.15

himankioki米国・オハイオ州Kent State UniversityのJohn Gunstad准教授らが、近く刊行されるObesity and Related Diseases 2011年4-5月号に発表する研究で、減量が記憶力と集中力の改善に結びつくことが明らかになりました。
神経心理学者である准教授は、以前ブラウン大学医学部に席を置き、多くの病的肥満患者の手術や行動療法などの治療に関与する機会があり、その際に肥満患者は、似たような間違いをする認知的な障害があることに気づいたということです。今回の研究は、そうした経験に基づいて企画されました。
准教授はニューヨークにあるコーネル大学、コロンビア大学病院などの肥満患者150人(109人は肥満外科手術の患者、41人は比較対照群のまだ手術を受けていない肥満患者)を対象に12週間継続調査しました。患者は手術前と手術後、継続的に認知能力を測定され他のデータも調査されていました。データを分析した結果、肥満外科手術を受けて体重が減少した患者は手術前に比べて12週間後の記憶力と集中力が改善していましたが、比較対照群の肥満者は12週間でさらに悪化していました。
この結果から准教授は、一般に認知障害は改善がなかなか期待できないものであるが、病的肥満患者の認知障害に関しては、外科的手術による急激な体重減少によって改善する可能性があることが明らかになったので、今回も患者群をさらに1年、2年と長期的に継続調査を行うことで、その効果を明らかにしていきたいとしています。