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【ボディワーク】飲めばどんどん運動したくなる薬が現実にできるかも?!

肥満運動

Posted on 2012.6.21

dondon肥満の増加が大きな社会的、政治的問題となっている米国などでは、効果的な対策のために、様々な研究が進められています。
特に副作用のない、安全かつ効果的な肥満防止薬、減量促進薬の開発には、多くの研究者が取り組んでいるようですが、スイス・チューリッヒ大学のMax Gassmann博士らが、FASEB Journal 2012年6月8日オンライン版に発表した研究は、そうした減量薬的アプローチではなく、身体を動かしたくさせて、身体活動を活発にさせ ることで、減量に向かわせる薬が開発できる可能性が明らかになりました。
博士らは赤血球産生促進ホルモンのヒト・エリスロポエチン (Epo)と、マウスをつかって実験を行いました。第1のグループのマウスは、何もされない比較対照のためのグループ、第2のグループはEpoを注射さ れ、第3のグループは遺伝子操作によってEpoを脳内で産生するように処理されました。
その上で博士らは、それら3つのグループのマウスの 行動パターンを分析しました。その結果、何ら処置を施されなかった比較対照グループのマウスと比較し、Epoが投与、または脳内で産生するようになったマ ウスは、赤血球が増加することなしに、運動量が増加し、より高いレベルの運動パフォーマンスを示しました。
博士らはこの結果について、 Epoがマウスに、より多く運動したいという動機づけになったものと考えられるとし、将来的に運動嫌いの肥満者に、Epoをベースとして開発された薬を服 用させて、積極的に体を動かすように動機づけし、減量を成功させることが可能になるのではないかとしています。