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何を食べたかしっかり覚えておくと減量しやすい!

肥満

Posted on 2013.4.2

phm12_0538-s昨日、一昨日の朝や昼に何を食べたか、急に聞かれて即答できる人は意外に少ないような気がしますが、英国・リバプール大学のEric Robinson博士らが、American Journal of Clinical Nutrition 2013年4月号に発表した研究で、昨日今日何を食べたかしっかり記憶している場合は、その後の食事の量が減少し、逆に忘れてしまっている場合は、その後の食事量が増えることが明らかになりました。
博士らは、食事内容に対する関心、注意、記憶、無関心が、どの程度まで食事の量に影響を与えているのかを明らかにするために、既に発表されている肥満者ではない健康な成人を対象とした24の研究をメタ分析しました。その結果、何を食べたかを良くおぼえていた場合、食事の量が減り、また減量プログラムをしている場合は、体重が減少しやすいことがわかりました。
さらに食べた食事内容を書き留めたり、写真に残したり、食品の包装紙を残したりなどして、何を食べたかを忘れないようにするテクニックを利用することでも、食事の量が減るそうです。一方、前の食事に注意を払わず、何を食べたか記憶があいまいな場合、次の食事の量が多くなることも明らかになり、さらにこの影響は、その後の食事でさらにいっそう強まることも分かりました。博士らはテレビを見ながら、新聞を読みながら、ネットサーフィンをしながら、食事の際に他のことに気をとられて食 事をしていると、食事の内容に注意が向かず、結果として過食につながることが明らかになったとし、今後肥満者の場合は、こうした食事内容に対する注意力や 記憶の有無がどのように影響しているのか詳しく分析したいとしています。
American Journal of Clinical Nutrition, 2013; DOI: 10.3945/ajcn.112.045245