子どもの頃から肥満の人は、50歳になったときに、

階段を上る、荷物を持つ、買い物をするなどの日常的な身体機能が、

肥満でない人の２倍以上も早く低下することが

英国ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン（ロンドン大学）の研究で明らかになり、

２０１９年６月２０日付のInternational Journal of Epidemiologyで発表されました。

この研究は、１９５８年にイギリスに生まれた８６９４人を追跡調査したデータを分析したもので、

その結果、２３歳時点で肥満だった人は、５０歳時点で身体機能の低下が認められた人が、

肥満でなかった人の男性で２．２８倍、女性で２．６７倍でした。

一方で、４５歳～５０歳までの間に肥満と診断された人の場合は、

若い頃から肥満を指摘されてきた人に比べて、

身体機能の低下が著しくないことも判明したことから、

研究者らは、幼少期に肥満となった人は、なるべく早期に肥満を改善しておくことが、

中高年以降に健康な人生を送るための重要なポイントであると指摘しました。

【出典】Nina Trivedy Rogers, Chris Power, Snehal M Pinto Pereira. Birthweight, lifetime obesity and physical functioning in mid-adulthood: a nationwide birth cohort study. International Journal of Epidemiology, 2019; DOI: 10.1093/ije/dyz120