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【食】抗酸化物質を含む野菜や果物をたくさん食べる女性は脳卒中リスクが低い

女性病気脳食

Posted on 2011.12.3

oracスウェーデン・カロリンスカ医科大学のAlicja Wolk博士らがStroke 2011年12月1日オンライン版に発表した研究で、抗酸化物質を豊富に含む野菜や果物を日常の食生活でたくさん摂取して いる女性は、野菜や果物などをあまり食べない女性に比べて、脳卒中になりにくいことが明らかになりました。
博士らはスウェーデンで実施されている大規模マンモグラフィー調査の対象集団の女性36.715人(うち31.035人は調査開始当初の時点で循環器疾患既往歴なし)を1997年から2009年まで継続的に調査し、食生活と健康・疾病のデータを分析しました。
そ して調査対象者の女性が、食生活頻度調査に対する回答内容から摂取している食品の種類と量、それぞれの食品の活性酸素吸収能力値(ORAC値:食品が持つ 活性酸素吸収能力Oxygen Radical AbsorbanceCapacityの略。米国農務省や米国国立老化研究所の研究者らがデータを取って開発した数値。食材の抗酸化力を見る目安として活 用されている)から、調査対象者の女性の抗酸化物質摂取量を推計し、上位下位4グループに分けて脳卒中発症リスクとの関係を算出しました。調査期間中に循 環器の既往歴のない31.035人のうち、1007人が脳卒中(796人が脳梗塞、100人が出血性卒中、108人が特定不能の卒中)に罹患していまし た。
野菜や果物などを摂取量が最上位の25%グループは最下位の25%グループの女性に比べて2倍の量の野菜や果物を摂取しており、また 17倍も紅茶を飲んでいました。そしてこの最上位グループと最下位グループの罹患率を肉と魚の摂取量の影響を除外して算出した結果、抗酸化食品摂取量最上 位のグループは、最下位のグループに比べ、17%脳卒中リスクが低いことがわかりました。また循環器の既往歴のあった女性に関しても、抗酸化食品摂取量が 多い場合は、出血性卒中のリスクが低下していました。
この結果について博士らは質問紙に対する回答のみから概算された抗酸化食品摂取量に基づいた研究ではあるが、抗酸化食品が脳卒中リスクを低下させている可能性は高く、今後は発症した脳卒中の種類との関係などを更に詳しく研究したいとしています。