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【メディカル】月経前不快気分障害(PMDD)の女性はメラトニンの分泌が変調している!

女性

Posted on 2012.12.26

gekkeiメラトニンはホルモンの1つでその血中濃度が1日のサイクルで変化し、それによって人間も含む動物のサーカディアン・リズム(概日リズム)が維持され、夜には濃度が高まることで眠くなり睡眠することになるわけです。
カナダ・モントリオール市マギル大学のDiane B. Boivin博士らが2012年12月19日付けPLOS ONE に発表した研究で、月経前気分不快障害の女性はこのメラトニンの分泌が変調を来たしていることで、不眠症になりやすいことが明らかになりました。
月経前気分不快障害は月経前症候群よりも精神や身体の症状がより重いもので、不眠や強い抑うつ感や絶望感などの精神症状、体の痛みなど身体症状が挙げられます。
博士らはこうした症状の背景に、サーカディアン・リズムの乱れがあるのではないかと考え、月経前気分不快障害の患者の女性5人と、比較対照となる同年齢の健康な女性5人を対象に、月経周期の排卵日前の卵胞期と排卵日後の黄体期に、それぞれ24時間研究室に留まってもらい、彼女らの血中メラトニン濃度や気分状態など含む様々なデータを採取し分析しました。
データを分析した結果、月経前気分不快障害の女性は、健康な女性に比べて夜間のメラトニンの血中濃度が低く、また症状が重い黄体期に卵胞期よりもメラトニンの濃度が低下していることが明らかになりました。
博士らは月経前気分不快障害の患者が、不眠に悩まされる原因が、メラトニンの分泌と関係していることが明らかになったので、さらに大規模な研究を行うとともに、今後は新たな治療法の開発も行えるのではないかとしています。