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豚インフルエンザは『48時間』が勝負

病気

Posted on 2009.4.29

 

 
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によると、4月29日、アメリカで豚インフルエンザH1N1型による最初の死者として、テキサスの男児が確認されたことが、リチャード・ベッサーCDC臨時所長代行によって発表されました。
ベッサー氏は「テキサスから、幼児が豚インフルエンザA型H1N1ウイルスで亡くなったという非常に悲しいニュースが確認されました」と弔意を述べました。
幼児がメキシコに渡航したかどうかなどの詳細はまだ発表されていません。
WHOの報告によると、メキシコ以外での死者は初めてで、現在112豚インフルエンザによる死亡が確認されています。

CDCとメキシコの検疫官は、今回のインフルエンザの発生源として、メキシコの小さな山村に注目しているとのことで、詳細については、今後、発表されるそうです。

4月29日の MedPage Today より

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ということで、瞬く間に豚インフルエンザの感染が広がっています。
冷静に最新情報をキャッチして、海外旅行などの計画については、十分に注意すべきだと思います。

インフルエンザ予防として、マスクを使うことは十分に報道されていますが、私の取材経験から、もう二つ忘れてならないのが、手と目です。

インフルエンザウイルスは唾液などが粘膜や結膜に付くことで感染します。

目の結膜は、日常生活ではかなり無防備に露出しているので、結膜炎やものもらいなどの目の病気になりやすいのです。

マスクでしっかりと喉をガードしても、手を洗わずに目をこすってしまったり、マスクを外してついうっかり唇を触ったり、鼻をほじったりしてしまうと、感染する危険があります。

最終的に、もっと感染が広がってしまったり、感染者が出た地域に行く場合は、ゴーグルや手袋を着ける必要もありますね。

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インフルエンザの治療は、タミフルやリレンザなど、インフルエンザウイルスが、体内で増殖するのを抑制する働きがある薬(ノイラミニダーゼ阻害薬)を、感染が広がらない初期(48時間以内)に服用することが重要です。

簡単に説明すると、A型とB型のインフルエンザウイルスの表面には、トゲトゲがあり、これが体内の細胞に吸着して、正常な細胞を破壊してしまうのです。(C型のインフルエンザにはトゲトゲがないので、違う薬を処方するそうです)

このトゲトゲ部分にあるのがノイラミニダーゼで、ノイラミニダーゼの働きを阻害するのが、タミフルやリレンザなどです。

一般的にインフルエンザウイルスが最も増殖するのが、感染後48時間頃といわれているので、現在感染者が確認または感染の疑いがあるとされているメキシコアメリカ(ニューヨーク、カリフォルニア、テキサス)、ドイツイギリス、カナダ、イスラエル、ニュージーランド、スペインオーストラリアなどに出かける場合は、十分注意して、月並みですが、うがいと手洗いをして、手で目をこすったり、口や鼻の中に指を入れないようにしましょう。

そして帰国後に、発熱などの症状があれば、すぐに病院に行って、医師に相談しましょう。

アメリカの人気TVドラマ『24』じゃないけれど、『48時間』以内の処置が、運命の分かれ道になるかもしれないのです!