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PET-CTは標準的なスクリーニング検査よりもがんをより多く発見できる

病気

Posted on 2010.1.26

                      
 
アメリカミネソタ州ロチェスターのマイヨクリニックのアンドリュー・マキオン博士らがオンライン版の『Archives of Neurology』に発表した研究によると、神経系のがんの兆候がある患者に関して、PET-CTは、通常の神経病のスクリーニング検査に比べて、18%も多くがんを発見することができ、それが早期治療につながる可能性があるということです。

この研究は56人の神経系のがんが疑われる患者に対して、PET-CT検査を行った結果、22人にがんと疑われる兆候が発見されたそうです。がんが発見された22人のうちの10人は、2人が甲状腺がん、3人が悪性リンパ腫、1人が扁桃がん、3人が肺がん、1人が結腸癌と確認されました。このうち7人はがん治療を開始して症状が改善し、そのうちの5人は免疫療法などを行っているそうです。

PET-CTでがんと診断された残りの12人については、生検で5人が異常なし、2人が生検なしでより詳しいPET検査をして異常なしと診断、2人は前がん状態、1人は危険性の低い肉芽腫ということでした。

これについて博士は「PET-CTは、代謝が激しい細胞部分を発見して画像に映し出してくれるが、それが発がん以外の原因に起因する場合もあるので、診断には注意が必要」と述べており、さらに今回の研究は、検査対象の母数も少ないため「PET-CTの限界を理解しつつ、がんの早期発見に有効に役立てるべき」と述べています。

Primary source: Archives of Neurology
Source reference:
McKeon A, et al "Positron emission tomography -- computed tomography in paraneoplastic neurologic disorders" Arch Neurol 2010; 67(3): DOI: 10.1001/archneurol.2009.336.