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【食】ヴァージンオリーブオイル、ポリフェノールがアテローム性動脈硬化症を予防するのはなぜ? -ニュートリゲノミクスで明らかに!

病気食

Posted on 2010.7.11

1-1jpgヴァージンオリーブオイルといえば、地中海ダイエットによる心臓血管障害のリスク低減効果で知られていますが、スペイン・バルセロナ・Institut Municipal d’Investigacio MedicaのMaria Isabel Covas博士らがFASEB Journal 7月号に発表した研究によると、ヴァージンオリーブオイルのニュートリゲノミクス研究(栄養ゲノム科学・栄養学+遺伝情報科学=食品成分 の摂取に伴っておこる遺伝子の発現量の変化を網羅的に解析する手法)で、その効果の仕組みが明らかになりました。
博士らは20歳から50歳までの 健康な被験者90人を①地中海ダイエット+ヴァージンオリーブオイル(ポリフェノール豊富)、②地中海ダイエット+ヴァージンオリーブオイル(ポリフェ ノール少なめ)、③いつもどおりの食事、の3グループに分けて、3ヶ月間その食事を継続させた上で、彼らの血液を分析しました。
その結果、ポリ フェノールが豊富な①のグループの被験者は、末梢血単核球の中のアテローム性動脈硬化症に関連する遺伝子発現が減少していました。更に、冠動脈心疾患に影 響を与える遺伝子変化の発現に、重要な働きをしていることが分かりました。また地中海ダイエットとヴァージンオリーブオイルの組み合わせはインシュリン抵 抗性、抗炎症作用、腫瘍抑制などにもプラスであることも明らかとなりました。
博士らはこの結果から、食生活を改善する科学的根拠が明らかになったと同時に、将来的な遺伝子レベルでの創薬に繋がるものとしています。