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【食】DHAはアルツハイマー型認知症の治療に効果なし?!

病気食

Posted on 2010.11.7

om3オメガ3不飽和脂肪酸の一種で、魚油などに含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)を日常的に摂取することは、軽度のアルツハイマー型認知症患者の認知機能の向上に影響しないことが、米国オレゴン健康科学大学のJoseph F. Quinn博士らの研究で明らかになり、11月3日号のJournal of the American Medical Associationに発表されました。
この研究は軽度~中度のアルツハイマー型認知症の患者295人のうち、171人にDHAを1日2g、124人にプラセボ薬を与えて変化を比較しました。その結果、神経精神症状、日常生活行動、認知機能のいずれにおいてもDHA群とプラセボ群に優位な差はなく、18ヶ月後の脳の容積の減少率もプラセボ群が24.7cm3の減少に対して、DHA群が24cm3 で、大きな差は認められませんでした。しかし、アポリポタンパクE遺伝子のε4対立遺伝子を持つ患者(アルツハイマー型認知症の危険因子として有名な遺伝子)には、オメガ3不飽和脂肪酸が認知機能や精神症状の改善効果が見られたそうです。
今回の研究では、治療薬としてのDHAの効果に関する検証が行われましたが、予防薬としての効果については言及されていません。
一般的にDHA摂取によって、脳内の抗酸化能の増強、アミロイドβタンパク質の脳内沈着の抑制・消失、神経再生促進作用(空間認知能力の改善など)などの効果(作用機序)が認められています。