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「自分は健康的」と思い込むことが肥満や不健康の始まり

病気肥満

Posted on 2011.1.11



アメリカ人は、「健康的な食生活をしましょう」というメッセージをたくさん聞き、理解しているはずなのに、肥満者の数は増え続け、世界一の肥満大国になってしまいました。

その原因について示唆する調査結果が報告されました。

これは2010年11月に行われた"Consumer Reports Telephone Survey"で、アメリカ人1234人を対象に行った電話調査の結果、3分の1が肥満体重なのに、「健康的な体重」だと思い込んでいることもわかりました。


さらに90%近くが「やや健康的な食生活」(52.6%)。「かなり健康的な食生活」(31.5%)、「非常に健康的な食生活」(5.6%)と解答しています。

しかし具体的にどんな食事の内容かを質問すると、たった30%が毎日5種類の野菜や果物を食べているのが30%、13%しか朝食に野菜や果物を食べていませんでした。そして8%弱が自分たちのカロリー摂取量について把握しているにとどまりました。

この結果に関しては、アメリカの公衆衛生学関連の有識者から「アメリカ人がほとんど自分が摂取した食事のカロリーを把握していないことに驚きを抱いた」とコメントが寄せられています。




また半数の人は、不健康な食品を食べないように注意して制限するように心がけておらず、54%しか甘いものを食べた量を把握しておらず、51%しか脂肪を制限していないことも明らかになりました。

運動に関しては、運動することが健康に役立つことは理解しており、「ややアクティブな生活をしている」と回答した人が50%で、「かなりアクティブ」と回答した人は31%いるものの、回答者は平均して1日に5時間ほど座っているという実態が明らかになりました。また家事などで体を動かす時間は1日2時間、1時間が歩くなどの軽い活動、活発な活動については1日平均1時間にも至りませんでした。

この結果について、「アクティブな生活と忙しい生活を勘違いして解釈しているのでは?」と分析する研究者もいました。

健康的な生活を送ることを頭で理解していても、いざ実行に移し、それを習慣化するのはかなり難しいということが明らかになったといえそうです。

さらには、健康的な生活を送ろうというメッセージに触れすぎると、現実の不健康な生活を忘れて、自分がヘルシーな人間だと思い込んでしまう大きな勘違いを招いてしまうということですね・・・・・・。

自分自身を正しく認知できなくなることが不健康の始まり・・・かも。