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【メディカル】アルツハイマー病のアミロイド斑の原因は肝臓にある可能性!

病気

Posted on 2011.3.5

amiroid米国・カルフォルニア州サンディエゴ市のラホイヤにあるScripps Research InstituteのGreg Sutcliffe教授らがThe Journal of Neuroscience Research 2011年3月3日オンライン版に発表した研究で、病状の悪化と共に記憶、行動など人間としての精神活動の崩壊が進むことで知られるア ルツハイマー型認知症患者の大脳に見られる老人斑が、脳に由来するものではなく肝臓から運ばれたアミロイドベータの沈着によるものであることが、明らかに なりました。
教授らはマウスを使用した実験で、家族性アルツハイマー病の原因遺伝子産物として知られるプレセニン2が、ベータアミロイドの 産生に関与しており、この物質が肝臓により多く存在した場合に、脳のベータアミロイドの蓄積も、より多くなるという相関があることを発見しました。そして 肝臓由来のベータアミロイドが、血液の循環で脳に運ばれるのではないかと考え実験を行いました。
血液脳関門を通りにくいベータアミロイドの産生を抑制するイマチニブという薬を一日に二回、一週間マウスに投与する実験を行った結果、血中のベータアミロイドも脳のベータアミロイドも、劇的に減少していることがわかりました。
教授はこの実験から、脳のベータアミロイドが脳以外から運ばれていることが明らかであり、イマニチブがアルツハイマー病の予防と治療に有望である可能性が見えたとして、今後さらに研究を進めるとしています。