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【メディカル】リュウマチ治療薬治験の成否は研究資金の利害関係と相関性があることが明らかに!

病気

Posted on 2011.6.7

riumati英国・ロンドンで2011年5月25-28日に開催されたEULAR 2011:Annual Congress of the European League Against Rheumatismで、米国・University of Arkansas for Medical SciencesのN. Khan博士らが発表した研究で、研究著者が発表した当該研究において、製薬業界から何らかのコンサルタントフィーや謝金などの資金を受けた関節リュウマ チ治療薬の無作為化比較臨床試験が、そうした資金を受けていない同様の研究よりも、「治療薬の効果が統計的に有効である」との結果が出やすい傾向があるこ とがわかりました。
博士らはリュウマチの治療薬が最近著しく増加しつつあることから、2002~2003年と2006~2007年に発表さ れた関節リュウマチ治療薬の無作為化比較臨床試験研究を、MEDLINE and Cochrane Central Register for Controlled Trialsから抽出し、その結果と研究著者が受けている資金との関係を分析しました。
その結果、研究著者が製薬企 業などから何らかのコンサルタントフィーや謝金など資金援助を受けていた研究では、91.3%が治療薬の臨床効果が有効であるとの結果だったのに対し、研 究著者に特定のフィーや謝金がなかった研究では、有効であるとの結果が66.7%に過ぎなかったことが明らかになりました。この結果は、ほかの交絡要因を 補正しても変わりませんでした。
この結果について博士らは、例えばより経験の豊富な研究者に製薬企業の資金が流れ、かつそうした研究者が洗 練された研究デザインで臨床治験を実施するために有効であるとの結果が出やすいとか、無効であった研究結果が発表されないなどの理由が可能性として考えら れるのではないかとしています。