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【食】甘い飲料は高血圧リスクを高める可能性!

病気食

Posted on 2011.11.17

米国・ペンシルベニア州フィラデルフィア市で2011年11月8-13日に開催されたASN米国腎臓学会・腎臓週間2011で、ハーバード大学医学部のJohn Forman博士が発表した研究で、砂糖や果糖、人工甘味料などで甘くなっている飲料を飲むことが、高血圧症リスクの増加と相関していることが明らかになりました。
博士らは看護師を含む医療・衛生・保健などに従事している人々を対象にした3つの長期間の前向き研究のデータを分析し、飲料消費と高血圧症の関係を分析しました。3つの研究データの合計サンプル数は男性37.360人、女性186.531人で、フォローされた期間は16年から26 年、調査対象者は4年毎に食習慣の状態を調査され、2年毎に医師から診断を受け、高血圧症の発症状況が調べられていました。
データを分析した結果、高血圧症リスクに関係すると考えられる人種、高血圧症の家族歴、運動、カルシウム・マグネシム・ビタミンDの摂取量、食物繊維・トランス脂肪酸の摂取量、炭水化物の消費量、DASHスタイル・ダイエット(高血圧症治療のための食事療法)の有無、一日の平均摂取総カロリー、減量中かどうか、アルコール摂取量、非麻薬性鎮痛薬の服用状況などを調整した上で、砂糖・果糖によるものでも、人口甘味量によるものでも、とにかく甘い飲料の消費量が増えるほど、高血圧症と診断されるリスクが増加していることがわかりました。
amai博士らの計算によると、甘い飲料を飲む頻度が1ヶ月に1回未満の人に比べて、砂糖・果糖の入った飲料を飲んでいた人の高血圧症リスクは6%~17%高く、毎日1回以上人工甘味料の入ったいわゆるダイエット飲料を飲んでいた人は、11%~20%高くなっていました。
博士はこの結果について、因果関係は明らかではないが、砂糖・果糖の飲料は肥満と糖尿病予防のために飲むべきでないことはこれまでの研究からすでに明らかなので、人工甘味料もダイエット飲料がなぜ高血圧症のリスクを高めているのか、この研究結果からだけでは明らかではないが、健康のために、とりあえずこうした甘い飲料を飲まないようにすることを勧めるとしています。