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【メディカル】コーヒーは非アルコール性脂肪性肝炎から肝線維症への進行リスクを減少させる!

病気食

Posted on 2012.2.5

coffee米国・テキサス州ブルック陸軍医療センターのStephen Harrison医学博士軍医中佐らがHepatology 2012年2月号に発表した研究で、カフェイン入りのコーヒーを飲み続けることが、非アル コール性脂肪性肝炎から肝線維症に進行するリスクを低減させる効果があることが明らかになりました。
米国では肥満の増加が著しく、それに伴い非アルコール性脂肪肝がB型C型肝炎を凌ぐ慢性肝臓疾患の最大の要因となっています。そして脂肪性肝炎患者の約10%が15年ほどで肝炎からより深刻な病態である肝硬変へと進行していくと考えられています。
博士らはこれまでの研究で、コーヒーが肝疾患リスク低下と関係があると示唆されていたため今回の研究を企画し、脂肪肝と非アルコール性脂肪性肝炎で通院治療中の患者306人のコーヒー消費状況と肝臓の状態に関して調査しました。
被 験者は、①超音波検査で異常がないことが明らかな対照グループ、②脂肪肝のグループ、③非アルコール性脂肪肝炎ステージ0~1(線維症がある)、④非アル コール性脂肪肝炎ステージ2~4(線維症がより進んでいる)、以上4グループに分けてコーヒーの消費量とカフェインの摂取量と病態の関係を詳しく分析しま した。
その結果、コーヒー消費量と非アルコール性脂肪肝炎の肝臓の線維化進行に、負の相関があり、コーヒーを多く消費しているほど、肝線維 症リスクが低下することが分かりました。博士らはこの結果から、非アルコール性脂肪肝炎の患者は、適度にコーヒーを飲むことで、肝線維症の進行による肝機 能の増悪のリスクを低下させる可能性が高いので、今後はコーヒーの効果について、臨床でさらに継続的に研究を進めたいとしています。